今回は、弊社が先日実施したパーチェス・プラス・アロケーション(以下、PPAという。)及び無形資産評価の研修について書かせて頂きます。
研修にあたってのクライアントの要望
研修をご依頼いただいたクライアントは、グローバル展開している東証一部上場会社です。
IFRS適用会社であるクライアントは、成長戦略としてM&Aを増やしており、投資後の決算PMIであるPPAや無形資産評価について、投資した国内外の子会社とのコミュニケーションが必要となるため、最低限の知識をつけておきたいという要望がありました。
研修内容
研修は、以下のような内容で講義をしました。
-PPA全般
・PPA の意義
・PPAの目的
・PPAと無形資産評価の違い
・いつまでにPPAをやらなければならないか
-無形資産
・無形資産の識別(事例など)
・無形資産の評価
・無形資産の税効果
・無形資産の評価と連結会計における非支配株主持分の考え方
講義で伝えたかった3つのポイント
講義で特にお伝えしたかった事項は以下の3点です。
① PPAの意義、PPAの目的
IFRSやUS基準だけでなく、日本基準においても、投資後の「のれんの減損」に注目が集まっていることに併せて、実務上PPA が求められる事例が増えてきています。
PPAという単語が、浸透してきている一方で、「そもそも、何のためにPPAを実施するのか?」が疎かになっていませんでしょうか?
PPAを実施する対象会社に対して、「なんのためにPPAをするのか」をきちんと説明できるようにしましょう。
② PPA≠無形資産の評価
PPAという略語が先行しているためか、PPA=無形資産の評価と混同しているケースが多々あります。両者の違いを明確に理解し、実務上、PPA対象会社とのミスコミュニケーションにならないようにしましょう。
③ 無形資産評価の重要なパラメータ
無形資産の評価には、計算する上でいくつかの重要なパラメータがあります。それぞれのパラメータがどういうものかを理解し、パラメータの変動が無形資産の価値にどのような影響を与えるのかを理解しましょう。
講義を終えて
今回の研修を通じて、「クライアントはどのようなことを関心があり、興味も持たれているか」、「弊社には当たり前のことでも、クライアントは疑問に持たれていること」などが、講師である私自身も理解でき、非常に勉強になりました。
研修を受講頂きましたクライアントの皆様、ありがとうございました。この場をお借りして、お礼申し上げます。